生命の歴史ゾーンは3つのエリアに分かれています。最初に出てくる古生代エリアは、地球誕生から初期の生命の芽生えや進化が分かるエリアです。ここでは、酸素の起源や最初の生命誕生の過程、恐竜が出現する前の生物の進化の歴史が展示されています。
この記事では、100回近く恐竜博物館を訪れている私の経験をもとに、生命の歴史ゾーンの最初のエリアである古生代エリアの展示をご紹介します。
古代の生物がどのように誕生し、地球環境と相互作用しながら進化を遂げていったのか、生命誕生のミステリーを解き明かしていきましょう。
福井県立恐竜博物館「生命の歴史ゾーン」【古生代】はどこにある?

生命の歴史ゾーンの古生代エリアは、本館2Fにあります。本館1F恐竜の世界ゾーンからスロープで上がってきたところが生命の歴史ゾーンの入口である古生代エリアとなっています。
博物館の入口から直接行く場合は、入り口ゲート入って直ぐのエスカレーターの右階段で2Fまで行き、ダイノラボを通過した右奥にあります。
もし、ベビーカーや車いすなどで階段やエスカレーターを利用できない場合は、本館3Fミュージアムショップを通り過ぎたところにあるエレベーターで本館2Fに降り、左手に曲がると奥の方にあります。
生命の歴史ゾーン【古生代】の展示内容と所要時間
古生代エリア

生命の歴史ゾーンでは、35億年前の生命の誕生から数百万年前の人類の出現に至るまでが、展示されています。生命の歴史の中でも一番古い時代である古生代は、最初の生命が誕生した時代です。
古生代は生命の誕生から始まり、有名なカンブリア爆発、単細胞から多細胞へ、無脊椎動物から脊椎動物へ、海から陸への進出など様々な進化が起こりました。
同じ生命の歴史ゾーンの中生代と古生代エリアを合わせた見学の所要時間は、20~30分となっています。
それでは、古生代エリアの代表的な展示を見ていきましょう。
生命の誕生

最初の生命体が誕生したのは40億年以上前、微細な存在から始まりました。
しかし、20数億年前に登場した光合成生物が、海や大気の酸素を増加させました。その証拠として、光合成バクテリアが生み出したストロマトライトという岩石や、酸素によって鉄が沈殿して形成された縞状鉄鉱が展示されています。
その後、10億年以上をかけて生物が利用できる酸素や有機物などが増加していきました。
無脊椎動物の繁栄

約6億年前になると、エディアカラ生物群に代表される、目に見える大きさの複雑な化石が発見されるようになります。
その後、5億4000万年前のカンブリア紀以降の地層からは、現在の動物に近い多様な化石が見つかります。これらの生物は、骨や殻といった硬い構造を手に入れたため、地面に潜ったり、海を自由に泳いだり、獲物を捕らえるなど、複雑な生態系を築くようになりました。
脊椎動物の出現

恐竜のような脊椎動物が初めて現れたのもカンブリア紀です。最初の頃の脊椎動物は、原始的な魚の仲間です。
原始的な魚はアゴがない無顎類で、シルル紀やデボン紀に栄えました。その後衰退しましたが、現代でもナツメウナギやヌタウナギが生き残っています。
原始的な魚はアゴがありませんでした。
無顎類の皮膚は表面がエナメル質で中は象牙で出来ており、人類の歯と同じ構造です。そのため、歯の由来は無顎類の皮膚だと考えられています。
無顎類の皮膚が歯に進化した。
ダンクレオステウス

デボン紀になるとダンクレオステウスに代表されるようなアゴを持つ魚が登場しました。アゴは元々エラを支える骨が変化したものと考えられています。
アゴは獲物をとらえるのに最適で、食う食われるの関係が明白になり、多様で活発な生態が生まれました。
無顎類の体内の骨は軟骨で出来ていましたが、アゴのある魚は、進化していき体内にリン酸カルシウムの硬い骨を持つようになりました。硬い骨はやがて陸上へ進出するときに体を支える器官として役立つようになります。
陸上への進出

古生代の初め、生き物たちは海の中で繁栄してきました。陸に上がるためには、乾燥や重力に耐えられる体や、空気中の酸素を取り入れる呼吸の仕組み、新しい感覚器官が必要でした。
陸上に進出したのは、初めに植物、次にクモのような節足動物の仲間、その後魚類から進化した両生類でした。
イクチオステガ

この時代の代表的な両生類がイクチオステガです。4本の足を持ちますが、主に水中で活動し、陸上では前あしを使い這っていたと考えられます。
大森林が育んだ動物たち

3億年前には、巨大なシダ植物が現れ、大きな森林が作られました。原始的なトンボの仲間やヤスデの仲間のような巨大な虫の仲間が栄えました。また、両生類は非常に多様化していました。
古生代の終わりのペルム紀には、超大陸パンゲアが形成された影響で、陸上は乾燥していました。
そのため、シダ植物の一部から進化した裸子植物は乾燥に強い「種」という仕組みを手に入れて栄えていきました。
また、両生類から現れた爬虫類と哺乳類の先祖も乾燥した環境に適応した体を手に入れ、生態系の中で大きな位置を占めるようになりました。
メガネウラ

メガネウラは地球教最大級の昆虫で、オオトンボ類の一属です。その翅は30cmにも及んでいました。この時代は酸素濃度が非常に高く、酸化という一種の毒を和らげるために巨大化していったと考えられています。
地球史年表46億年


地球史年表では、地球誕生から現在まで30cmを一億年として表しています。
遠い昔に思える古生代でも、地球の歴史からするとつい最近のこと。恐竜の登場は2億3000万年前ですが、年表上は現代から1mも離れていません。さらに、人類の誕生は僅か一瞬前の出来事なのが分かります。
まとめ
生命の歴史ゾーンの古生代エリアはいかがでしたか。
40億年よりも前に顕微鏡サイズの小さな生命が誕生し、光合成バクテリアにより酸素が増えました。6億年ほど前になるとようやく目に見えるサイズの無脊椎動物が繫栄し、さらに脊椎動物が出現。初めの頃の脊椎動物は、あごの無い魚だったというのも興味深い点ではないでしょうか。
やがて海から陸へと生命は進出していき、古生代の終わりのペルム紀にできた超大陸パンゲアでの乾燥にも耐えられるように進化していきました。爬虫類と哺乳類の先祖も、この時代に乾燥に適応した体を手に入れ、この後の中生代での爆発的な繁栄につながっていくのでした。







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