福井県立恐竜博物館には何故スピノサウルスがいないの?実物化石の見分け方は?など、展示物に関して疑問がありますよね。
そのような福井県立恐竜博物館についての皆様の疑問に、恐竜博物館に100回近く行っている私が、お答えするページです。
福井県立恐竜博物館の展示物に関するQ&A
Q.竜盤類と鳥盤類の違いは?
A.福井県立恐竜博物館 本館1F「恐竜の世界ゾーン」では、恐竜の全身骨格が竜盤類と鳥盤類に分けて展示されています。

ティラノサウルスやアロサウルスに代表される「竜盤類」は、赤く色づけした部分の「恥骨」が下に伸びています。

一方、トリケラトプスやステゴサウルスに代表される「鳥盤類」は、「恥骨」が坐骨と並行に後ろに伸びています。
それぞれの骨盤にある恥骨が、どの方向に伸びているかによって「竜盤類」と「鳥盤類」が分かれています。
ちなみに、博物館の質問コーナーでどんな質問が多いのかお聞きしたところ、この「竜盤類と鳥盤類の違い」についての質問が一番多いそうです。
Q.スピノサウルスの全身骨格の展示がないのはなぜ?

A.福井県立恐竜博物館には、スピノサウルスの頭骨の化石展示はありますが、全身骨格は常設展示されていません。
何故なら、ドイツに収蔵されていたスピノサウルスのホロタイプ(基準標本)が、1940年代に連合国によって消失されたためです。ホロタイプとは、新種として記載する際に、その新種の基準となるもので、論文でただ一つ指定されるもっとも重要な標本のことです。しかし、そのホロタイプが失われてしまったため、正確な全身骨格の復元は困難であったため常設展示されていません。
尚、特別展の「獣脚類2025」ではスピノサウルスの全身骨格の展示がありました。
これは、ホロタイプが失われた際に、新たに基準標本として指定されたネオタイプとなる標本が近年発掘されたこと、研究が進みその姿が明らかになってきたためです。
スピノサウルスと同じグループの竜盤類の展示は、こちらのページです。
Q.トリケラトプスの全身骨格の展示はある?
A.ティラノサウルスと並び、人気恐竜のトリケラトプス。トリケラトプスを目当てに福井県立恐竜博物館に訪れる方も多いのではないでしょうか。
しかし、福井県立恐竜博物館には、トリケラトプスの一種の頭骨の化石展示はありますが、全身骨格は常設展示されていません。

一般的に、博物館では全身骨格の標本は貴重なため、購入することもありますが、他の博物館から譲り受けたり、博物館同士で交換したりします。
どの全身骨格を入手するかは博物館の研究員が主に決めるのですが、入館当初よりトリケラトプスに近縁のメドゥーサケラトプスの全身骨格の展示があり、トリケラトプスの全身骨格を入手するタイミングもなかったようで、頭骨のみの展示となっているそうです。
尚、このメドゥーサケラトプス、一部に実物の化石が使われているとても貴重な標本ですので、福井県立恐竜博物館を訪れた際は、じっくりと観察してみてください。

トリケラトプスやメドゥーサケラトプスと同じ装飾頭類は、こちらのページでご紹介しています。
Q.ステゴサウルスの全身骨格はある?
A.背中に目だつ帆が並んでいるステゴサウルス。恐竜好きなお子さんにも人気でステゴサウルスを目当てに福井県立恐竜博物館に訪れる方も多いのではないでしょうか。
しかし、福井県立恐竜博物館には、ステゴサウルスの全身骨格展示はありません。
どういった全身骨格を展示するのかは、博物館の研究員が主に決めるのですが、福井県立恐竜博物館では、ステゴサウルスに近縁のヘスペロサウルスが展示されています。

こちらのヘスペロサウルスをステゴサウルスだと思って写真を撮って帰られる方も多いそうです。それもそのはず。実は、専門家の間でも、ステゴサウルスとヘスペロサウルスの特徴が非常に似ているため同じ種だという見解もあるそうです。
福井県立恐竜博物館のヘスペロサウルスは、実物化石が使われている全身骨格です。それだけでも貴重なのですが、ホロタイプ標本(ヘスペロサウルスの種の判定の基準となる、世界に一つしかない標本の元)なのです。通常、そのような貴重なホロタイプ標本は、収蔵庫で厳重に保管され、一般公開されることはないのですが、福井県立恐竜博物館では常時展示されていますので、訪れた際はじっくりと観察してみてください。
ステゴサウルスやヘスペロサウルスと同じ剣竜類は、こちらのページでご紹介しています。
Q.実物の化石が使われている10体の全身骨格はどれ?
A.アロサウルス、カマラサウルス、カンプトサウルス、エドモントサウルス、プロサウロロフス、ヒパクロサウルス、メドゥーサケラトプス、スコロサウルス、デンバーサウルス、ヘスペロサウルスの10体です。
本館1Fの「恐竜の世界ゾーン」に展示されています。その内、アロサウルスとカマラサウルスの2体が竜盤類、残り8体は鳥盤類のエリアに展示されています。

Q.実物化石とレプリカの見分け方は?
A.実物が使われている全身骨格の標本とレプリカ標本の見分け方は、2通りあります。
まず、一つ目は、展示ラベルの記載です。

写真の様に、福井県立恐竜博物館では、レプリカの全身骨格標本には「複製」と記載されています。

一方で、実物化石が使われている展示については、何も記載されていません。(もしくは、「実物」と記載されています。)
もう一つの方法は、全身骨格のフレームを見ることで実物化石が使われているか判別できます。

写真の手前にいるカマラサウルスは実物化石が90%使われているのですが、実物化石はもろいため、沢山の頑丈な金属の骨組み(フレーム)で外側から支えています。
一方、奥にいるマメンチサウルスはレプリカ化石のため、作成する際に金属の骨組みが標本の中に埋め込まれていて、分かりづらくなっています。
福井県立恐竜博物館を訪れた際は、ラベルだけでなく、金属の骨組み(フレーム)の有無でも実物化石かどうか判断してみてください。
売り切れることも多いチケットに関するQ&Aはこちらのページです。
混雑する駐車場や・博物館全体に関するQ&Aは、こちらのページです。







コメント
Q&A しかみてないのですが、とても分かりやすくて、自分の、悩みが解決しました!
機会が、有ったらいってみたいと思います!
お役に立てたようで、うれしいです!
恐竜博物館に行かなくても、展示内容が見られるページもありますので、ぜひ他のページもご覧になってみてくださいね。