福井で見つかった恐竜はどんなもの?何種類見つかっているの?と気になる方も多いのではないでしょうか。福井県立恐竜博物館には、博物館近くの地層で調査隊が見つけた恐竜の全身骨格などの化石や最新の研究結果が展示されています。
この記事では、恐竜博物館に100回近く行っている私が、日本とアジアの恐竜エリアの福井の恐竜コーナーに展示されている福井の恐竜をご紹介していきます。
日本とアジアの恐竜 福井の恐竜コーナーはどこにある?

日本とアジアの恐竜 福井の恐竜コーナーは、本館1Fの地球の科学ゾーンにあります。メイン展示の恐竜の世界ゾーンの鳥盤類エリアの隣です。
入り口ゲートからですと、エスカレーターでB1Fに降りて、ダイノストリートを通りカマラサウルスの産状化石の階段を上り、右手にUの字に曲がると見えます。
もし、ベビーカーや車いすなどでエスカレーターを利用できない場合は、本館3Fミュージアムショップを通り過ぎたところにあるエレベーターで本館1Fに降ります。左に行くと日本とアジアの恐竜コーナーがありますのでそこの右円周沿いが福井の恐竜コーナーです。
日本とアジアの恐竜 福井の恐竜コーナーの展示内容

福井の恐竜は、福井県立恐竜博物館の野外博物館近くの地層から発掘されています。その地層は、福井県勝山市北谷にあることから、手取層群北谷層と呼ばれています。
福井の恐竜(福井県で発掘されて学名の付いている恐竜)は全部で6種類いますが、その全てが北谷層から発掘されています。(2025年11月現在)
この福井の恐竜コーナーには、その6種類全ての恐竜の他に、同じく北谷層で見つかった鳥類やカメ、貝化石などが展示されています。また、向かい側の内周沿いには、当時の植物のジオラマや化石などが展示されています。
それでは、どのような展示があるのか見ていきましょう。
福井県勝山市北谷層
発掘現場再現風景

福井県の恐竜が見つかった発掘現場の再現風景が見られます。地層の質感や、岩石などとてもリアルに再現されています。
「恐竜の世界ゾーン」と「地球の科学ゾーン」の間にエレベーターがあるのですが、その向かいに位置していて、下を覗きこんで見る必要があるため見落とす方の多い場所です。
エレベーターで地下1Fまで降りると、覗き込む必要もなくより近くで観察できます。地下1Fに説明板もあります。
福井県勝山市の恐竜化石
先ほどもご説明しましたが、福井県立恐竜博物館がある福井県勝山市には、手取層群北谷層と呼ばれる地層があります。 今から1億2000万年前の白亜紀前期に河川や湖などに砂や泥が堆積してできたものです。
福井県が1989年から本格的な発掘調査を行っており、新種の恐竜が多数見つかっています。そんな福井県の手取層群北谷層で見つかった新種の恐竜などを見ていきましょう。
フクイサウルス

1989年から福井県で始まった発掘調査で発見された草食恐竜イグアノドン類です。日本の恐竜で初めて全身骨格が復元されました。
また、 2003 年に新種の恐竜として学名がつけられました。

フクイサウルスは、下あごの先が尖っているという原始的な鳥脚類の特徴を持っています。
また、他のイグアノドン類では、エサを食べる際、上下の歯が噛み合わさると上あごが側方に動くことでそしゃくするのですが、フクイサウルスは上あごが動かないというユニークな特徴があります。
他には、頭の形が丸みを帯びてがっしりしていることや、親指はスパイク上に尖っていることなどが分かります。
同時期の同じ地層から産出されたコシサウルスとは異なる特徴をもつことから、違うエサを食べることで棲み分けて共存出来ていたと考えられます。
コシサウルス

2008年に、手取層群北谷層からイグアノドン類の骨化石5点が発見されました。
上あご中央部の上に伸びる突起の形がフクイサウスルと違っていることから、2015年に新種として学名が付けられた恐竜です。
フクイサウスルと同じイグアノドン類で、〇〇サウルスと命名するのが一般的ですが、フクイサウスルが先に学名になっていたため、フクイが使用できませんでした。その代わりに、昔は福井県は「越の国」と呼ばれていたことからコシサウルスと命名されました。
研究で子どもの骨であることが分かっていますが、同時期に同じ場所に生息していたフクイサウルスとは異なり、一般的なイグアノドン類と同じ細身の顔つきです。
フクイラプトル

1992年に発掘され、2000年に、日本で初めて正式な学名が付けられた恐竜です。


アロサウルスの仲間です。しかし、アロサウルスの分厚いかぎ爪の骨とはちがい、非常に薄いかぎ爪の骨をしています。
全長4.7mで比較的大きな前あしですが、成長途中の個体とみられています。おとなになるともっと大きくなった可能性があります。
ティラノミムス

福井県立恐竜博物館がリニューアルオープンした2023年に、新種として発表されました。
後ろ足が長く、ダチョウ恐竜とよばれるオルニトミムスの仲間です。
全長2mほどの小型の獣脚類ですが、ティラノサウルス類の特徴とされていた腸骨にある垂直稜という羽のようなでっぱりが見られることから、「ティラノもどき」という意味の名前になりました。
フクイベナートル

2007年に1体分の全身の骨の70%が見つかっています。日本ではこれだけまとまった骨が見つかることは珍しく、北海道のカムイサウルスの80%に続いて2番目です。
頭が小さく首が長い草食恐竜の姿ですが、手足のかぎ爪が鋭いことや、歯が円錐形ですがギザギザがないことから雑食性だったと考えられています。肉食から草食へ変わっていく途中段階だったと考えられています。


福井県立恐竜博物館の研究員によるCTスキャナを用いた研究で、嗅覚が鋭かったことが分かっています。
フクイティタン


1989年の発掘調査から歯の化石が発見されていましたが、2007年に背骨や手足の化石が見つかったことで新種として、「福井の巨人」という意味の命名がされました。


日本で最初に正式な学名が付けられたティタノサウルス形類の恐竜で、坐骨の先端が少し広がっていることが他のティタノサウルス形類とは異なる特徴です。
全長10mほどの大きさと推定されていますが、まだ発見部位が少ないため、はっきりとしたことは分かっていません。
勝山の足跡化石

福井県が発掘をしている手取層群北谷層では、足跡化石も発見されています。
日本初のデイノニコサウルス類の足跡の他に、多くの獣脚類、鳥類、竜脚類、鳥脚類、ヨロイ竜類、翼竜類、カメや爬虫類などが見つかっています。
足跡が残るのは、ぬかるんだ場所であることから、水辺の近くに沢山の恐竜や生物が暮らしていたことが分かります。 また、ぬかるんだ場所で残る足跡は、実際の足の大きさよりも大きくなりますが、どの程度の差があるかまでは分かっていません。
勝山産のヨロイ竜類

2017年にヨロイ竜類の歯の化石が見つかりました。
木の葉のような形で、縁にギザギザがあります。現在も研究が進んでおり、新種として発表される日も近いかもしれません。
勝山産のスピノサウルス科

1989年の第一次発掘調査から、断続的に17本のスピノサウルス科の歯が見つかっていました。野外恐竜博物館で小学生の子が1本を見つけ、あわせて18本が展示されています。
今後の発掘で骨化石が見つかれば新種につながるかもしれません。
フクイプテリクス

2013年の発掘調査で1体分の鳥類の化石が見つかりました。
しかし、非常にもろい化石でクリーニング作業で取り出すことが出来ない為、マイクロX線CTスキャナで岩石を取り除くことなく骨を可視化して、骨格が復元されました。
研究の結果、原始的な新種の鳥類と分かり、鳥類進化の貴重な資料とされています。
勝山産のワニ・カメ・魚・貝化石


勝山の地層は昔、河川などの淡水であったため、海の生き物であったアンモナイトは見つかりませんが、ワニの歯、カメの甲、魚のウロコ、貝類等が見つかっています。


これらの化石は野外恐竜博物館の化石発掘体験で、自分で見つけることも可能です。ワニの歯やカメの甲、魚のウロコは運がかなり良くないと見つからないのですが、マツモトナ・マツモトイやプリカトウニオ等の貝類は発掘体験でも比較的よく見つかる化石です。
恐竜時代の日本の森

恐竜が生きていた時代の地層からは、恐竜を始めとする動物の化石だけでなく、多くの植物の化石も見つかります。 植物の化石は恐竜が生きていた当時の環境や食べ物を知る手掛かりになります。
ジオラマでは当時の環境が再現されています。

生きた化石と呼ばれるイチョウ類の他に、シダ類、ソテツ類、ベネチテス類などが見つかっています。裸子植物が主ですが、白亜紀後期になると被子植物も見受けられました。
恐竜時代の日本

手取層群から中生代の植物化石が発見されたことで、日本や周辺地域の地質学・古生物学の研究が発展しました。多くの研究者によって日本や東アジア地域の中生代の陸上環境やその変化の歴史が明らかになってきました。
フクイラプトルロボット (本館1F)

福井の恐竜コーナーの奥には、フクイラプトルのロボットがあります。
恐竜の世界ゾーンのティラノサウルスロボットと並び、子ども達に大人気です。

皮膚感や筋肉などがリアル!
吠えながら動きますが、ティラノロボットよりも小柄なためか、ティラノロボットで泣いていた子も笑って写真が撮れるスポットとなっています。
まとめ
日本とアジアの恐竜 福井の恐竜コーナーの展示化石はいかがでしたか。
福井県立恐竜博物館の近くにある手取層群北谷層では、恐竜王国福井の名にふさわしい数の恐竜が発掘されています。そして、それらの福井の恐竜たちの全身骨格や研究内容が展示されていましたね。
そして、恐竜が生息していた当時の生き物の展示があったり、植物もありました。
近くにはフクイラプトルロボットがあり、子ども達にも人気の写真スポットとなっています。
福井県では発掘調査が現在進行形で行われており、この先も北谷層から新種の恐竜が出てくることでしょう。楽しみですね!




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