ダイノライブラリーには何がある?書籍以外にも化石の展示があるって本当?と色々と気になる方も多いのではないでしょうか。
ダイノライブラリーでは、お子さんが喜ぶ絵本から専門書まで、恐竜にまつわる書籍がずらり。最新のものから数十年前の絶版になっている書籍も揃っています。
それだけでなく、ダイノライブラリーには、化石や最新の研究結果まで展示されているのです。そう、ここは単に本が置いてあるだけではない、特別な図書館なのです。
この記事では、恐竜博物館に100回近く行っている私が、ダイノライブラリーの場所と展示内容をご紹介します。知らないと通り過ぎてしまうので、見逃してしまった方も、これから行く方もどんなものがあるのかチェックしてみてくださいね。
ダイノライブラリーはどこにある?

ダイノライブラリーは、本館2Fにあります。ビデオライブラリーやダイノラボから新館連絡通路に行く途中にあります。
博物館の入口から直接行く場合は、入り口ゲート入って直ぐのエスカレーターの右階段で2Fまで行き、右に進むとあります。
もし、ベビーカーや車いすなどで階段やエスカレーターを利用できない場合は、本館3Fミュージアムショップを通り過ぎたところにあるエレベーターで本館2Fに降り、円周上を半周ほど行った所に新館連絡通路の表示が出ていますので少し進むと右手に見えます。
ダイノライブラリーの展示内容

ここは、新館へ続く通路。右手を見るとダイノライブラリーがあります。
さて、このダイノライブラリーの存在、どれくらいの方が気づいているのでしょうか。通路で立ち止まって観察したところ、通り過ぎてしまう方がほとんどでした。恐らく、入り口が少し奥まっていてひっそりとした佇まい。それに目だつ案内も無いなので、気付かれていない感じでした。
そのため、ハイシーズンで博物館内が混雑している時期でも、ダイノライブラリーは比較的空いていることが多く、座ってゆっくりと本を読むことができます。

ダイノライブラリーには、恐竜や古生物、地質についての専門書が置いてあります。最新の本から数十年前の貴重な本までが揃っています。
専門書だけでなく、小学生にちょうどいいレベルの本も沢山あります。また、絵本もありますので、椅子に座れる年齢のお子さんであれば気分転換にもなりますね。
ちなみに公共の図書館と違い、貸出は出来ません。

実はここにも化石があります!
さらに、それだけではありません。福井県立恐竜博物館の研究員の最新の研究内容が紹介されていているのです!
それでは最新の研究内容からご紹介していきましょう。
ティラノサウルスの下あごは鋭いセンサーだった!?

恐竜化石には、脳や神経の収まっていた部分が空洞として残ることがあり、ティラノサウルスの下あご化石をCTスキャンしました。すると、他の恐竜よりも神経が複雑に枝分かれしており、鋭いセンサーとしての役割を持っていた可能性があることが分かりました。
CTスキャンで役立つ工作技術

化石をCTスキャンする際は、工業用のものを用いるのですが、化石をステージの上に立てて回転させます。化石が倒れないように、それぞれの形に合ったステージを作らねばなりません。一見デジタルなCTスキャンにも、色々な材料や工具を使い、工作というアナログな作業が重要になってきます。
ティラノサウルス左歯骨

下の方に見える穴は、神経の通っていた穴ですね。
ティラノサウルスの神経データ

赤い部分が神経だった場所ですね。細かく神経が通っていて、意外と繊細なあごだったので、子どもを咥えて運んだり、愛情表現していた説もありますね。
ティラノサウルスの復元模型

恐竜の模型といえば、荒木一成先生ですね。
余談ですが、ティラ子は博物館の講座で、実際に荒木先生に模型作りを教えて頂いたことがあります。荒木先生の作り方は、骨格に正しく筋肉を付けていくので、躍動感がたっぷりの作品が多いですね。
福井県で見つかた変わった恐竜足跡化石の正体は!?

1991年から博物館の収蔵庫で眠っていた足跡化石を再調査しました。第三と四趾の2本を地面につけて移動していたとされていることから、デイノニコサウルス類(獣脚類)の足跡だと判明しました。
デイノニコサウルス類の足跡化石は日本初です。
デイノニコサウルス類の足跡(ドロマエオポドゥス科)

野外博物館のある手取層群北谷層の化石発掘現場で発掘されていた足跡化石。足跡サイズは、長さ8㎝、幅4.7㎝だそうです。
デイノニコサウルス類の足跡(ドロマエオサイルプス科)

こちらは中国の足跡化石ですね。
足跡からも福井の鳥脚類は2種類いたことがわかった!?

野外恐竜博物館のある手取層群北谷層の化石発掘現場で、鳥脚類であるイグアノドン類の足跡化石を調べたところ、2種類に分けられることが分かりました。一つは、中指が長くて足跡の幅より長さが大きいもの。もう一つは、中指が短くて足跡の長さより幅が大きいもです。
鳥脚類の足跡

アンブリダクティルスの一種の足跡化石です。
足跡から恐竜の種類を特定するのは困難なので、足跡化石には独自の学名が存在するそうです。
恐竜足跡研究は太陽が最大の敵!?

近年では、恐竜の足跡化石を3Dスキャナで3Dデータ化することが一般的となっています。発掘現場での3Dスキャンは紫外線などの影響でうまくスキャンすることができず、テントなどで影を作る必要があるのですが、意外と熱気がこもるため大変な作業となっています。
貝の化石に生きていた時の模様が残っていた!?

二枚貝をクリーニングしたところ、生きていた当時の模様が保存されていました。現在のものとほぼ同じ模様で捕食者から身を守るカモフラージュとして進化した可能性が高いようです。
模様が保存されている淡水生二枚貝化石としては世界最古で、日本初、化石記録として世界2例目です。
トリゴニオイデス、マツモトイナ、プリカトウニオ

綺麗な模様が残っている貝化石3種類。
3つ全て、野外恐竜博物館の化石発掘体験でも発掘できる貝化石です。特に、マツモトイナとプリカトウニオは比較的よく発掘されます。
化石の貝をよみがえらせる

2020年から博物館では、クリーニング作業で砂粒を飛ばして少しずつ削る機材の「サンドブラスター」を導入しました。
綺麗にクリーニングされた貝化石の模様を写真に美しく収めようと試行錯誤していた所、偶然、クリーニングした貝化石を水洗いしている時に「水の中に沈める」方法を編み出したそうです。1億年以上の時を経て、貝化石がまた水へ戻る・・・ワクワクしますね。
ベンケイガイ、ショクコウラ、バイ属の一種化石と現在の比較

化石と現生の貝の比較。何だかロマンを感じるのは私だけでしょうか。
ジンゾウサウルス模型

中国のジンゾウサウルスの復元模型です。体長7mほどの恐竜だったと考えられています。
シノベナートル模型

シノベナートルは、体長1mくらいの小型の恐竜です。鳥類に似た特徴があります。
ドロマエオサウルス(頭骨)

ドロマエオサウルスは体長2mくらいの恐竜。そのため頭骨もブックエンドの高さと同じくらいコンパクトです。
メガラスピデスの一種

三葉虫の一種です。はっきりと模様が分かりますね。
獣脚類の足跡

獣脚類の足跡化石。中国で産出されたものです。
アメジスト

福井県敦賀市で産出したアメジストです。淡い紫がきれいですね。
アカニシ

アカニシは今も生きていて、食用にされますね。
トラコプテルスの一種

トラコプテルスは絶滅してしまった硬骨魚類の条鰭類(じょうきるい)です。
スフェノプテリスの一種

スフェノプテリスは絶滅してしまいましたが、古生代の石炭紀から三畳紀にかけて栄えたシダ植物の仲間です。シダですが種子で増える「シダ種子類」でした。
ケナガマンモスの臼歯

ケナガマンモスの奥歯ですね。硬い植物をすりつぶすために使用されました。摩耗するので、古い歯が抜け落ちると新しいものが生えてくるデンタルバッテリー方式だったようです。
トルーカ隕石

鉄が主成分の隕石です。両手のひらサイズですが、重たそうです。
メソプゾシア

メソプゾシアは、北海道を代表するアンモナイトです。川で採取できるそうです。
まとめ
ダイノライブラリーはいかがでしたか。
まさか図書館に本以外に化石の展示があるとは驚きだったのではないでしょうか。
しかも、福井県立恐竜博物館の研究員の方の最新の研究内容やコラムまで展示されていて、研究の苦労が垣間見えましたね。
ダイノライブラリーは、ハイシーズンでも比較的空いていて、落ち着いて本を読んだり展示を見ることができます。ちょっと歩き疲れた時にもゆっくりできますので、ぜひダイノライブラリーを見学順路に入れてみてくださいね。




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