日本とアジアの恐竜(本館1F)

日本とアジアの恐竜 福井県立恐竜博物館のすべて

日本で見つかった恐竜化石はどんなものがある?何県で見つかっているの?と気になる方も多いのではないでしょうか。日本の恐竜研究の最高峰である福井県立恐竜博物館では、各地の恐竜化石なども展示されています。また、共同発掘・研究が行われている中国やタイなどの化石も展示されています。

この記事では、恐竜博物館に100回近く行っている私が、日本とアジアの恐竜エリアの展示をご紹介していきます。

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日本とアジアの恐竜エリアはどこにある?

日本とアジアの恐竜エリアは、本館1Fの地球の科学ゾーンにあります。メイン展示の恐竜の世界ゾーンの竜盤類エリアの隣です。

入り口ゲートからですと、エスカレーターでB1Fに降りて、ダイノストリートを通りカマラサウルスの産状化石の階段を上り、左手にUの字に曲がると見えます。

もし、ベビーカーや車いすなどでエスカレーターを利用できない場合は、本館3Fミュージアムショップを通り過ぎたところにあるエレベーターで本館1Fに降ります。左に行くと日本とアジアの恐竜コーナーがあります。

日本とアジアの恐竜の展示内容

日本とアジアの恐竜

日本の恐竜化石コーナー

日本の恐竜化石の産地

日本ではこれまでに1道18県で、恐竜の骨、歯、足跡、卵の化石が見つかっています。 ジュラ紀の地層からも見つかっていますが、主に白亜紀の地層から見つかっています。 

新種の恐竜も相次いで報告されていて、15種類の新種が発表されています(2025年11月現在)。 

手取層群の恐竜化石

手取層群の恐竜化石

手取層群は福井県、石川県、岐阜県、富山県などに分布する後期ジュラ紀~前期白亜紀の地層です。その時代、手取層群は、アジア大陸の東の縁で、大陸から海へと流れ込む河川の周辺で、砂や泥などが堆積してできました。 この地層では、恐竜以外にも沢山の化石が見つかっています。 

特に、福井県の手取層群北谷層という地層で、これまで8種類の恐竜と1種類の鳥類などが見つかっています。 

石川県 

石川県と福井県大野市の恐竜化石

福井県にもつながる石川県白山市の手取層群。石川県の白山市では桑島層という1億3000万円前の地層が広がっています。

「白山トカゲ」という意味のアルバロフォサウルスという新種の恐竜の他に、新種の小動物の化石も見つかっています。 

手取層群第1号の恐竜化石(獣脚類の歯) 
手取層群第1号の恐竜化石(獣脚類の歯)

1982年、当時中学生だった福井県在住の女の子が石川県白山市(白峰)の手取層群桑島層の化石壁で拾った岩石の中から肉食恐竜の歯が見つかりました。手取層群では初の恐竜の化石でした。同じ地層の広がる福井県でも恐竜化石が出るのではないかと、福井県が発掘調査をするきっかけの一つとなった化石です。

獣脚類の歯 /翼竜類の歯 
石川県 獣脚類の歯 /翼竜類の歯 
鳥脚類の歯 
石川県 鳥脚類の歯 
獣脚類の足跡
石川県 獣脚類の足跡

白山市(白峰)の化石壁からは、恐竜の歯以外に足跡化石も産出されています。

石川県 獣脚類の足跡

現在、化石壁は国の天然記念物に指定されています。

福井県大野市 

石川県と福井県大野市の恐竜化石

福井県大野市では、同じ福井県の勝山市の北谷層より1000万年古い1億3000万年前の手取層群伊月層があります。日本で一番古いティラノサウルス類の歯が見つかっていることも大野市の地層の特筆すべき内容です。 

鳥類の足跡化石 
福井県 鳥類の足跡化石

1億3000万年前の伊月層から見つかった鳥類の足跡化石です。

イグアノドン類の足跡化石 
福井県 イグアノドン類の足跡化石 

同じく大野市の伊月層から見つかったイグアノドン類の足跡。

富山県 

富山県と岐阜県の恐竜化石

富山市大山地域の手取層群では、恐竜や翼竜類の足跡化石が沢山見つかっています。その数と種類は国内最大級です。 

鳥脚類の足跡化石 
鳥脚類の足跡化石 

1990年に初めて富山県で発見された足跡化石。

アンキロサウスル類等の足跡化石 
アンキロサウスル類の足跡化石

こちらは複製ですが、富山県では、600㎡の地層に500個の足跡化石が見つかっています。1m近くある足跡もあります。

獣脚類の歯/獣脚類の足跡
獣脚類の歯/獣脚類の足跡

先ほどの足跡化石の地層と同じ場所から見つかった獣脚類の歯や足跡。

岐阜県 

富山県と岐阜県の恐竜化石

岐阜県高山市や白川村では、恐竜の他、カメ類、トカゲ類、翼竜類、コリストデラ種という絶滅した水生爬虫類の骨や歯の化石が見つかっています。 

獣脚類の歯 
岐阜県 獣脚類の歯

福井県や石川県と同じ手取層群から獣脚類の歯が発掘されています。

鳥脚類の足跡化石 
岐阜県 鳥脚類の足跡化石

このように、川の浅瀬の砂の上を歩いた鳥脚類の足跡化石も見つかっています。 

北海道 

北海道の恐竜化石

北海道では、むかわ町からカムイサウルスが発掘されて注目を浴びていますが、他にも、中川町の後期白亜紀の地層から手の骨の一部が見つかり、2022年にテリジノサウルス類の新種として発表されました。

パラリテリジノサウルスの右前あしの末節骨と中手骨 /ノドサウルス科の頭と首の一部
北海道 パラリテリジノサウルスの右前あしの末節骨と中手骨/ノドサウルス科の頭と首の一部 

夕張市では、後期白亜紀の地層からヨロイ竜類の頭の一部が見つかっています。そのことから、当時は北米とアジアが陸続きたっだと考えられています。 

岩手県 

岩手県の恐竜化石

1978年に岩手県岩泉町で日本で初めて報告された恐竜化石が見つかりました。

竜脚類の上腕骨 
岩手県 竜脚類の上腕骨 

ここに展示されている竜脚類の上腕骨が、その日本初の恐竜化石です。 

三重県 

三重県と徳島県の恐竜化石

三重県鳥羽市では、1996年に前期白亜紀の地層から竜脚類の大腿骨が見つかりました。

竜脚類の大腿骨
三重県 竜脚類の大腿骨

「トバリュウ」と呼ばれる日本最大級の恐竜です。竜脚類のティタノサウルス類の一種だと分かっています。 

徳島県 

三重県と徳島県の恐竜化石

徳島県も近年恐竜発掘が相次いでいる地域です。

イグアノドン類の歯と尾椎
徳島県 イグアノドン類の歯と尾椎

勝浦町の前期白亜紀の地層から、1994年に鳥脚類の歯の化石が見つかりました。

竜脚類の歯/獣脚類の歯/獣脚類の脛骨(スネの骨) 
徳島県 竜脚類の歯/獣脚類の歯/獣脚類の脛骨(スネの骨) 

その後、竜脚類の歯の化石も見つかっています。日本最古級の骨の化石を含む地層があり、獣脚類、竜脚類、鳥脚類の化石が見つかっています。 

長崎県 

福井県立恐竜博物館と共同発掘をしている長崎市でも、近年恐竜発掘が相次いでいます。

ハドロサウルス類左大腿骨上半部/ティラノサウルス科の歯
長崎県 ハドロサウルス類右大腿骨とティラノサウルス類の歯

2014年には、日本初となるティラノサウルス科の歯が見つかっています。 

ハドロサウルス類左大腿骨下半部 
長崎県 ハドロサウルス類左大腿骨下半部

長崎市と西海市の後期白亜紀の地層から、2004年にハドロサウルス科の大腿骨の一部が発見されました。

アズダルゴ科の一種
長崎県 アズダルゴ科の一種

さらに、2025年には、長崎で発掘された岩石を福井県立恐竜博物館でクリーニング作業をしていたところ、ヨロイ竜の歯が発見されたと発表がありました。

それがこちらの写真のものです。

長崎県 ヨロイ竜の歯

複製の化石と10倍拡大模型があります。尚、実物の化石は長崎の恐竜博物館で展示されています。

熊本県御舟町

御舟町の恐竜化石

熊本県御舟町には、恐竜博物館があり、恐竜が発掘される地層があります。

獣脚類の大腿骨/獣脚類の末節骨/鳥脚類の歯/アズダルコ科翼竜の頸椎 
御舟町 獣脚類の大腿骨/獣脚類の末節骨/鳥脚類の歯/アズダルコ科翼竜の頸椎

1979年に後期白亜紀の地層から日本初となる獣脚類の化石が発見されました。 その他に、鳥脚類、ヨロイ竜類の骨化石や獣脚類の足跡化石が見つかっています。 

熊本県天津市 

天草市の恐竜化石

熊本県天草市には、前期白亜紀から後期白亜紀にかけての地層があり、多数の恐竜化石や足跡化石が見つかっています。 

ハドロサウルス上科の歯
天草市 ハドロサウルス上科の歯

天草市と福井県立恐竜博物館の共同調査で見つかったハドロサウルス上科の歯です。

獣脚類の歯 
天津市 獣脚類の歯

日本最大級の獣脚類の歯、鳥脚類の歯、竜脚類の歯の他、ティラノサウルス科の歯も見つかっています。 

爬虫類の皮膚痕化石 
天津市 昆虫類皮膚痕

爬虫類の皮膚の模様がはっきりわかる皮膚痕化石も産出されています。

大型竜脚類の右肋骨の一部 
天草市 大型竜脚類の右肋骨の一部 

竜脚類の肋骨も発見されています。

アジアの恐竜化石 

アジアの恐竜化石

ここからは、日本以外のアジアの化石です。福井県立恐竜博物館と関係が深い中国やタイの化石が展示されています。

中国 

アジアの主要恐竜産地

中国ではアジアで最も多くの恐竜化石が発見されています。前期ジュラ紀から後期白亜紀迄各年代の恐竜が発掘されていて、種類も豊富です。 

中国には、福井県立恐竜博物館と並び世界3大恐竜博物館である自貢恐竜博物館があり、共同発掘調査も行われています。

モザイケラトプス 
中国 モザイケラトプス

小型の角竜類です。進化的な特徴と、原始的な角竜に共通する特徴をモザイク状に合わせ持つことからこの名前が付きました。写真左に見える丸い卵はカメ類の卵です。モザイケラトプスが息絶え埋もれた後に、たまたま近くに巣を作ったため、一緒に発掘されたと考えられています。

獣脚類の足跡化石 
中国 獣脚類の足跡化石 

5つの足跡があり、内3つは同じ恐竜の連続歩行の足跡です。体長3mほどの恐竜で、時速5キロほどで歩いていたと推定されています。

タイ 

タイでは、1980年代以降、後期三畳紀、後期ジュラ紀、前期白亜紀の様々な恐竜が発掘されています。福井県立恐竜博物館の研究員もタイのチームと一緒に化石発掘や研究を進めています。 

シリントーナ 
タイ シリントーナ

共同調査で発掘された新種のイグアノドン類です。口先は横に広いU字型をしていて、大き目の歯でついばんだエサを効率よく噛むことができました。

シャムラプトル 
タイ シャムラプトル 

このシャムラプトルも共同調査で発掘されたものです。カルカロドントサウルス類の基盤的な種です。そのため、同じカルカロドントサウルス類が異なる環境に適応することで形態や生態が大きく分化し、多様な種になっていった進化の過程にとって重要な発見となっています。

恐竜の研究・発掘史/恐竜のイメージの移り変わり

恐竜の研究・発掘史

日本とアジアの恐竜エリアの向かいには、「恐竜の研究・発掘史」と「恐竜のイメージの移り変わり」の展示があります。

1677年イギリスで化石化した大きな大腿骨の下端が発見されたのが恐竜研究・発掘の発端です。メガロサウルス科と思われる化石でした。

恐竜の化石が過去の動物の骨だと解釈されるようになると、人々は恐竜の姿や生態を想像してきました。研究手法が改良されたおかげで、ここ数十年の間に、恐竜のイメージは大幅に変わりました。

例えば、恐竜はゴジラの様に尻尾を地面につけて歩いていたと想像されていましたが、研究により、尻尾を上げて地面につけずに歩いていたことが分かりました。

まとめ

日本とアジアの恐竜エリアの展示はいかがでしたか。

日本でも沢山の地域から恐竜化石が発掘されていることが分かりましたね。また、福井県立恐竜博物館では他の県や中国・タイなどと共同発掘調査を行っていて、各地の恐竜化石の発掘にも一役買っているようです。

発掘だけでなく、例えば長崎やタイで発掘された化石のクリーニングを福井県立恐竜博物館で行っています。

各地の「恐竜の新種発見!」のニュースに、福井県立恐竜博物館が関わっていることも多いので、ぜひ博物館でニュースになった化石を見てみてくださいね。

福井県立恐竜博物館が独自で発掘調査している新種の恐竜に興味がある方は、こちらをご覧ください。

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